

exroadについて
このサービスは、カーボンクレジットの売買ができるプラットフォームである。買い手が自分の好みの条件をもとに見積もりを行い、希望を伝えることで、価格や内容のバリエーションに富んだクレジットを提案してもらい、そこから発注できるのが特徴。従来の調達プラットフォームは、すでに価格や国、量などが指定されていて、条件に合うものがあれば購入するという一方通行の体験になっている。一方、売り手にとっては、ヴィンテージ(年)によって価格が変動するクレジットを、よりパーソナライズして提案できるため、発注につながりやすくなるメリットがある。
プロジェクト概要
プロジェクトとしては2ヶ月間の時間だったため、スピード感をもって挑むことは前提として、特に複雑だったのは買い手と売り手が相互に連絡をしあい、希望するクレジットを提供するものだったので、両者のやりとりがわかりやすいUXを考えながら画面を作成していく必要があった。
そしてこのサービスの特徴でもあるが、ある程度自由度高く希望するクレジットを売り手に依頼できるものの、すべて自由に依頼できる体験のみだと依頼の難易度が上がってしまうので、条件で見積もりができたり、クレジットを指定して見積もりができるなど、体験の分岐を作りながら、誰でもかんたんに依頼ができる画面を考えるのにフォーカスして取り組んだ。

——カーボンクレジット事業に携わるまでの経緯をお聞かせいただけますか?
exroad 畑中さん:
元々、DeNAでアプリ開発に携わっていたのですが、妻の駐在でイギリスに移住し、ロンドンにある大学院のサービスデザイン修士課程に入りました。環境問題や社会課題をプロジェクトとして扱うことが多く、自然と環境分野への関心が高まりました。
FAKE 儀保:
そこからexroadに入社された決め手はどういったものになりますか?
exroad 畑中さん:
妻の同期が環境関連事業を模索しており、サービス設計とエンジニアリングの両方ができる人材として声をかけてもらったんですよね。またスタートアップやベンチャーでも、ある程度の規模になると役割が分かれてしまい、エンジニアはエンジニア、プロマネはプロマネというように専門性が固定されがちです。でも exroad では少人数だからこそ、エンジニアリングだけでなく、プロマネやサービス設計にも幅広く関われる。1人で複数の領域を横断できる環境は、自分がやりたかったことにピッタリでした。

——プロジェクトを開始したきっかけを教えてください
exroad 畑中さん:
最初は「本当に日本でカーボンクレジットの需要があるのか?」という確信が持てていなかったんです。市場の動向も掴みきれていなかったし、「やるべきかどうか?」と悩んでいるタイミングでした。そこで、カーボンクレジット業界の国際カンファレンスが東京で開かれることが決まっていて、それに間に合わせる形で開発を進めることになったんです。そこに出して、試しに反応を見てみようと。
FAKE 儀保:
国際カンファレンスで出せば、業界の人たちに一気に知ってもらえる可能性がある。でも、逆に言うと、そこを逃したら次の大きな機会はいつになるかわからないということですよね。
exroad 畑中さん:
そうですね。急ぎで作ることになったので、デザイナーの力も必要になりFAKEさんをパートナーに選びました。

——プロジェクトのスピード感についてどう思いましたか?
exroad 畑中さん:
本当に早かったですね。特に印象的だったのは、フィードバックをした直後に、その場でデザインが修正されていくことです。通常のプロジェクトだと、フィードバックを伝えてから数日後に修正案が出てくるのが一般的ですが、FAKEさんのデザイナーは、その場でどんどんデザインを更新してくれました。
「ここを少し変更したい」と伝えたら、すぐにFigma上で修正が始まるんです。リアルタイムで調整が進むので、「この修正でOKですね」とすぐに確認できる。これは、意思決定のスピードを格段に上げる要因になっていました。
FAKE 儀保:
普通は、「一旦持ち帰ります」となる場面ですよね。
exroad 畑中さん:
そうなんです。特にデザイナーの中には「こだわりを持ってじっくり仕上げたい」という方も多いので、フィードバックを受けてもすぐに修正するのではなく、一度持ち帰るケースがよくあります。でも、FAKEさんのデザイナーは違いました。
もちろん、細かいピクセル単位での調整や、最終的な完成度にはこだわりつつも、まずは「サービスとして成立するデザインを早く作る」ことを重視するこのアプローチが、短期間のプロジェクトでは特に有効だったと思います。
最初にプロダクトを作るときって、細部のピクセル単位でこだわるよりも、体験の設計や拡張しやすい構造を作ることが重要なんですよね。例えば、基本のレイアウトやコンポーネント設計を適切に整えておけば、その後の機能追加や新プロダクト開発にもスムーズに対応できる。実際、exroad のプロダクトも、このデザインの土台を活かして、今後の展開を見据えた改修をスムーズに進めることができています。
一般的に、企業の管理画面は必要最低限のデザインにとどまることが多いですが、今回の開発では、新しいプロダクトだからこそ、より洗練されたデザインを取り入れることができたと思います。このアプローチが功を奏し、情報の視認性や操作性が向上しただけでなく、今後の他のプロダクトにも応用できるテンプレートが完成しました。デザインの整備が開発の効率を上げるだけでなく、プロダクトの市場価値を高める要因にもなったと感じています。

——FAKEでは、過去にビジネス経験を持ったデザイナーがアサインされます。その点についてはどう感じられましたか?
exroad 畑中さん:
これまでの経験だと、ビジネス担当が仕様を決め、それをデザイナーがデザインに落とし込み、それをエンジニアが開発する、というフローが基本でした。でも、これはどうしてもスピードの限界があります。
FAKEさんの場合、デザイナーがビジネス視点を持っているので、仕様を待たずに「こういう体験が最適では?」と自ら提案しながらデザインを進めてくれるんですよね。
特に今回のように、カーボンクレジットという新しいドメインのプロジェクトでは、モデルの理解が求められました。ビジネス経験のあるデザイナーがアサインされていることで、イントロダクションの段階で、カーボンクレジットの構造をすぐに理解してくれた。普通、新しいドメインでは理解に時間がかかるものですが、ここがすごく早かったのでありがたかったです。
しかも、ビジネスのことを説明する人と、デザインについて話す人が同じなので、コミュニケーションのコストが圧倒的に下がるんです。
通常なら、「仕様を決める人」と「デザインする人」が分かれているので、細かい部分の確認に時間がかかることが多い。でも、FAKEのデザイナーは、その場で仕様の話もしながらデザインを作れるので、圧倒的に速かったです。

——今回作成したプロダクトの制作プロセスについて、具体的に教えてください
FAKE 儀保:
見積もりの条件指定には「購入金額・クレジット量」と「国・SDGs・分類・ヴィンテージ」など細かな要素があり、情報整理が課題でした。
特に、「ユーザーがどの条件を指定し、見積もり依頼をするのか」、「気軽な見積もりと詳細な見積もりの提供方法」について議論を重ねていきました。
新興サービスであるため、手軽さを重視しつつ、売り手側の提案精度を高めるため、「条件で見積もり」と「クレジットを指定」の2つの入り口を設けました。これにより、検索のハードルを下げつつ、詳細な条件指定も可能な体験を構築しています。


——実際にリリースしてみて、どういった反響がありましたか?
exroad 畑中さん:
すでに商用で使われ始めていて、日本でもこれからどんどん広がっていく可能性があります。設計の手応えも感じていますし、市場が本格的に動き出せば、もっと多くの人に使われるようになるはずです。今は主にデータベース的な役割が中心ですが、これから先はユーザー同士のやりとりが増えて、より価値のあるプラットフォームになっていくと期待しています。
FAKE 儀保:
現状、どういった企業が中心に活用しているんですか?
exroad 畑中さん:
そうですね、特に商社的な動きをしている企業が活用してくれました。
例えば、とある企業が「この条件のカーボンクレジットを探したい」となったときに、プロダクト上で条件を入力すれば、該当するクレジットがリストアップされます。
さらに、その場で複数のサプライヤーに一括見積もりを依頼できる仕組みになっています。
イメージとしては「引っ越しの一括見積もりサービス」や「SUUMOで内見を依頼する」のに近いですね。
これにより、今まで個別に探し回っていた手間が大幅に削減され、意思決定のスピードが上がるというメリットがありました。
実際に利用してくれた企業の担当者からも「探すのがとても楽になった」「明確な問い合わせ先が見えることで業務がスムーズになった」というフィードバックをもらっています。
この体験に、プロダクトとしての価値があると考えています。
——今後の展望について教えてください
exroad 畑中さん:
現段階では、まず「市場を育てる」ことが重要なので、情報提供に力を入れていますが、将来的に企業が「そろそろクレジットを購入しよう」となったときに、すでにあるプラットフォームを活用できる状態にしておくのが理想です。
最終的には、市場のリテラシーが向上したタイミングで、exroadがさらに活用されるフェーズが来ると考えています。
FAKE儀保:
市場の成長を見越した戦略ですね。カーボンクレジットは今後、規制や市場の変化によって需要が一気に高まる可能性もありますよね?
exroad 畑中さん:
そうですね。特に日本でも環境規制が強化されたり、ESG投資の流れが本格化すれば、一気に企業の関心が高まると思います。そのときに、すぐに動ける状態を作っておくことが、今の戦略のポイントですね。
——本日はありがとうございました!exroadの躍進を楽しみにしています!

弊社では、スピード感を持ったプロジェクト進行と、ビジネス経験のあるデザイナーによる柔軟なプロジェクト伴奏を強みとしております。ご興味ございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください!下のフォームからからご相談お待ちしております。
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会社概要
社名
株式会社FAKE
住所
〒150-6090 東京都渋谷区恵比寿4丁目20-4 Portal Ebisu H1
代表取締役
高橋 才将
設立
2020年1月
事業
DXコンサル、新規事業コンサル、システム開発、UIUXデザイン