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カスタマージャーニーとは?具体的な作り方や、案件事例などを紹介

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作成日 :

2025/9/3 08:17

更新日 :

2025/9/3 08:17

カスタマージャーニーマップとは?

現代のビジネスにおいて、成長を続けるために欠かせないのが「顧客体験(Customer Experience:CX)」の最適化です。製品やサービスの質そのものだけでなく、顧客が出会い、選び、利用し、継続していくまでの一連のプロセス全体が重要視されています。

そのCXを可視化し、戦略的に改善するための代表的な手法が 「カスタマージャーニーマップ」 です。
カスタマージャーニーマップとは、顧客が製品やサービスを「認知」から「利用」「継続」に至るまでの行動・思考・感情の流れを、時間軸に沿って整理したフレームワークを指します。

これを活用することで、企業は顧客視点に立ち、各接点(タッチポイント)でどのような体験や感情が生まれているのかを把握し、最適な価値提供のタイミングを見極められます。さらに、視覚的に整理されたマップは、開発やマーケティング、UX設計、サービスデザインなど幅広い領域での活用が可能であり、チーム間の共通理解を深め、意思決定をスムーズに進める強力なツールとなります。

カスタマージャーニーマップ作成の目的

カスタマージャーニーマップの作成は、時間と専門的な知見を要しますが、企業に多大な効果をもたらします。主な目的と期待される効果は以下の通りです。

顧客理解が深まる

カスタマージャーニーマップ作成の最大のメリットは、顧客の行動や心理を多角的かつ深く理解できる点です。属性分析では見えにくい「なぜその行動を選択したのか?」「その背景にある感情や動機は何か?」といった本質的な洞察を得られます。

マップ上では、顧客が各フェーズで抱く「期待」「不安」「疑問」「満足」といった感情の機微を具体的に記述します。このプロセスを通じて、企業は顧客の視点に徹底的に寄り添い、共感的な視点を得られ、真に顧客が求める価値創造の基盤を構築できます。

CX/UXの課題発見に繋がる

顧客の行動、思考、感情の起伏を時系列で追跡することで、顧客体験における潜在的な課題やサービス提供上のギャップを明確に特定できます。特に、顧客の満足度が低下するポイントや、不満、混乱が生じる接点(タッチポイント)をマップ上で可視化することで、優先的に改善すべき課題が浮き彫りになります。

具体的な課題を特定し、その根本原因を探ることで、どこにリソースを投入すれば顧客体験が劇的に向上し、結果としてビジネス成果に結びつくのかを論理的に判断できるようになります。

マーケティング施策の優先順位がつけやすくなる

顧客が製品やサービスを認知し、検討し、最終的な意思決定に至るまでのプロセスにおいて、顧客が特に重要視する瞬間や、購買行動を決定する要因となる接点(タッチポイント)を明確に把握できます。この理解は、限られた経営資源の中で、投資対効果(ROI)の高いマーケティング施策を選定するための重要な判断材料となります。

カスタマージャーニーマップは、顧客の行動や感情の変化に応じて、適切なタイミングで適切な情報やアプローチを設計するための羅針盤となります。各フェーズに最適な施策を特定し、優先順位を付けることで、無駄な投資を避け、効率的に成果を最大化できます。

チームメンバーやステークホルダーとの間で共通認識が得られる

カスタマージャーニーマップは、顧客体験を視覚的かつ体系的に整理された図として表現します。この特性は、製品開発、営業、マーケティング、カスタマーサポートなど、異なる役割や専門性を持つチームメンバー間、あるいは外部パートナーや経営層を含むステークホルダーとの間で、顧客に対する共通認識を醸成する上で極めて有効です。

具体的なマップを通じて顧客に関する認識を共有することで、認識の齟齬を最小限に抑え、建設的な議論を促進します。これにより、部門間の連携がスムーズになり、意思決定のスピードと精度が向上し、顧客中心の組織文化を醸成する上で重要な役割を担います。

カスタマージャーニーマップの種類

カスタマージャーニーマップには、分析の目的や対象とする顧客体験の性質に応じて、いくつかの異なる表現形式が存在します。それぞれの特性を理解し、プロジェクトの目的に合わせて適切なタイプを選択することが、効果的なマップ作成の鍵となります。

タイムライン型

最も一般的で汎用的な形式です。顧客の体験を「認知」「検討」「購入」「利用」「継続」といったように、時間軸に沿った一連のフェーズに分割し、各フェーズにおける顧客の行動、思考、感情、企業との接点などを整理します。このタイプは、顧客の旅の全体像を俯瞰的に把握したり、特定のプロセスを詳細に分析したりするのに適しています。タイムライン型は、さらに以下の3種類に細分化されます。

  • マクロ型(俯瞰型): ブランド全体の認知からリピートまでを広く捉え、企業の長期戦略や顧客ライフサイクル全体の課題特定に適しています。

  • ミクロ型(詳細型): 特定の接点や短い期間に焦点を当て、その詳細を掘り下げます。特定の課題解決やUX改善に活用されます。

  • シナリオ型: 特定のペルソナ(後述)を主人公に、その行動を物語的に描写します。共感的な視点から顧客体験を深く理解し、新たなサービスアイデア創出に役立ちます。

ホイール型

タイムライン型が直線的な旅を表すのに対し、ホイール型は中心にサービスやペルソナを置き、その周囲に顧客の行動、感情、接点などを円周状に配置する形式です。継続的なサービス利用や長期的な関係性を可視化したい場合に有効です。

月額課金サービスや会員制度など、顧客との長期的な関係構築が重視される場合に活用されます。顧客がサービスを繰り返し利用する中で、どのような感情変化や行動変容があるのかを整理することで、「継続理由」や「解約要因」を視覚的に把握できます。

スペース型

顧客の行動や感情を、物理的またはデジタルな「空間的なレイアウト」や「地図」のように表現する形式です。顧客が「どこで」「何を経験するか」を、具体的な空間(実店舗、イベント会場など)やデジタル空間(ウェブサイト、アプリなど)と関連付けて整理します。

このタイプのマップは、小売店舗での購買体験、イベント参加体験、テーマパークでの顧客動線など、空間そのものが顧客体験に大きく影響を与える場合に特に有効です。顧客が特定の場所で抱く感情や課題を明確にすることで、空間設計やサービス提供方法の改善に貢献します。

カスタマージャーニーマップの作り方

カスタマージャーニーマップの作成は、顧客の視点に立って徹底的に思考を巡らせることで、その実用性を最大限に引き出します。以下に、その具体的な作成ステップを解説します。

カスタマージャーニーマップ作成の目的とスタート・ゴールを決める

まず、「何のためにこのマップを作成するのか」という目的を明確に定義します。目的が曖昧だと、その後の分析や施策立案が困難になります。例えば、新規顧客獲得のマーケティング戦略立案、既存顧客のエンゲージメント向上、問い合わせ対応フローの改善などが挙げられます。

目的が明確になったら、次に分析対象とする「旅の始まり(起点)」と「旅の終わり(終点)」を設定します。これにより、マップで扱う範囲が限定され、効率的かつ集中的な分析が可能となります。例えば、「広告クリック」から「資料請求完了」まで、といった具体的な範囲を設定します。関係者全員で目的と範囲を共有することが重要です。

ペルソナを設計する

マップの精度を高める上で不可欠なのが、ペルソナの設計です。ペルソナとは、ターゲット顧客層の中から、最も典型的な顧客像をあたかも実在する人物であるかのように詳細に描写した仮想のモデルです。年齢や職業といった基本的な属性情報だけでなく、価値観、購買動機、悩みといった行動に影響を与える心理的側面を含めて深く定義します。

このペルソナが詳細であればあるほど、マップ作成者や関係者が顧客視点に立って、より共感的に顧客体験を想像し、分析を進めることが可能となります。

顧客行動を洗い出す

設定した旅の範囲内で、ペルソナがどのような行動をとるのかを、時系列に沿って具体的に列挙します。行動の大小や重要度に関わらず、思いつく限りの全てをリストアップすることが重要です。曖昧な表現を避け、「何をしたか」が明確にわかるように記述します。

例えば、「SNSで広告を目にする」「検索エンジンで企業名を検索」「公式サイトに訪問する」「問い合わせフォームに入力する」といったように、顧客が製品やサービスに接する全ての行動を詳細に書き出します。このステップで詳細に顧客行動を洗い出すことで、次の「接点」と「感情」の分析をより正確に進めるための基盤が築かれます。

顧客行動を具体的なタッチポイントに落とし込む

洗い出した顧客行動それぞれに対し、顧客が「どのようなメディアやチャネルを通じて」その行動をとったのか、すなわち具体的な接点(タッチポイント)を紐付けて整理します。タッチポイントとは、顧客が企業や製品、サービスと直接的または間接的に接触するあらゆる場所や手段を指します。

このステップでは、顧客が企業とどのように接触しているかを具体的に把握することが目的です。例えば、「SNSで広告を目にする」行動に対しては「Instagram、Facebookの広告フィード」、「公式サイトに訪問する」行動に対しては「PCウェブサイト、スマートフォンアプリ」といったように、顧客がどこで、どのように私たちとつながったのかを具体的にしていきます。これにより、より現実的な視点から顧客体験を分析し、各接点における改善策や最適化のアイデアへと結びつけられます。

タッチポイントにおける顧客感情を想像する

各接点における顧客の行動に対し、その時顧客がどのような「感情」を抱いたかを可能な限り深く想像し、詳細に記録します。この感情は、単なる「ポジティブ」「ネガティブ」だけでなく、「不安」「期待」「疑問」「苛立ち」「安心」「喜び」「困惑」など、より具体的な感情の機微を表現することが重要です。

感情の起伏をグラフで示したり、絵文字や色分けを活用したりすることで、一目で状況を把握しやすくなります。この感情の記録は、顧客体験上の課題発見と改善インサイトを得るための核心的な要素であり、感情の下降しているポイントは改善の機会を示唆しています。

顧客感情を踏まえて理想の体験を検討する

現状のカスタマージャーニーマップが完成したら、次に、目指すべき「理想の顧客体験」を設定し、現状の体験との間に存在するギャップを明確に分析します。そして、そのギャップを埋め、顧客満足度を向上させるための具体的な「打ち手」を検討します。このステップでは、顧客が抱くネガティブな感情をポジティブな感情へと転換させるための創造的な思考が求められます。

分析の際には、感情の下降しているポイントや、顧客が期待しているにもかかわらず満たされていない部分に焦点を当てます。例えば、現状の課題が「問い合わせ後の待ち時間が長くて不安」であれば、理想の体験を「迅速な対応で顧客が安心できる」とし、その打ち手として「チャットボット導入による即時対応」や「AIによる自動応答システム導入」などが考えられます。このように、顧客視点での理想の体験を描き、それを実現するための具体的な「打ち手」を検討することで、顧客満足度向上とビジネス成果の両方を追求することが可能になります。


まとめ

カスタマージャーニーマップは、現代ビジネスにおいて、顧客体験を客観的かつ体系的に可視化し、分析するための極めて強力なフレームワークです。これは単なる図表作成に留まらず、顧客の本質的なニーズや感情を深く理解し、企業全体の顧客中心主義を推進する上で不可欠なツールとなります。

このマップを通じて、企業は顧客の視点に立ち、顧客の「心」と「行動」を深く洞察することが可能となります。それにより、マーケティング施策の最適化、ユーザーエクスペリエンス(UX)設計の改善、サービス品質の向上といった具体的な取り組みへと直結します。また、開発、営業、マーケティング、サポートなど、異なる部門間の壁を越えた共通言語として機能し、組織全体の連携強化と迅速かつ的確な意思決定を支援します。

特に、プロジェクトにアサインするパートナー企業や外部支援を検討される際には、単なる技術力や実績だけでなく、このようなカスタマージャーニーマップの作成実績や、顧客体験を深く洞察し、顧客中心の思考でプロジェクトを推進できる能力があるかどうかを評価することが、プロジェクト成功の鍵を握る重要なポイントとなるでしょう。

カスタマージャーニーマップを戦略的に活用し、顧客満足度を最大化することは、競争が激化する市場において、企業の持続的な成長と発展を実現するための強固な基盤を築くことに他なりません。貴社のビジネスが顧客と共に成功の道を歩むために、私たちはカスタマージャーニーマップを用いた顧客体験設計の知見と実践力を提供し、貢献できると確信しております。

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高橋 才将

設立

2020年1月

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DXコンサル、新規事業コンサル、システム開発、UIUXデザイン