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kintone AIとは?できること・料金・外部AI連携と導入の注意点

  • AI

  • 業務システム

  • SaaS

作成日 :

2026/10/15 21:30

更新日 :

2026/10/10 04:51

2026年6月14日、サイボウズはkintoneのAI機能を「kintone AI」として正式提供しました。2025年4月から「kintone AIラボ」でβ版として試されてきた検索AIやアプリ作成AIが、スタンダードコースとワイドコースで追加料金なしに使えるようになっています。

一方で「何ができて、何ができないのか」「ChatGPTやClaudeとはどう組み合わせるのか」が整理しきれていない担当者も多いはずです。この記事では、kintone AIの機能・料金・外部AI連携の方法から、導入時の注意点、kintoneとAIで業務システムを作る際の設計ポイントまでをまとめて解説します。

この記事を読むと理解できること

  • kintone AIとは何か、β版のkintone AIラボから正式版までの経緯

  • kintone AIで使える主な機能と、それぞれでできること

  • kintone AIの対象コースと料金、AIクレジットの考え方

  • プラグイン・REST API・MCPサーバーを使った外部AIとの連携方法

  • 部門別のkintone AIの活用例

  • 導入前に押さえたいデータ整備・権限・セキュリティの注意点

  • kintoneとAIで業務システムを設計するときの考え方

kintone AIとは、サイボウズ公式のkintone向けAI機能群

kintone AIとは、サイボウズが業務アプリ構築クラウド「kintone」に組み込んで提供しているAI機能の総称です。公式サイトでは、専門知識がなくても現場の誰もが使えるAIと位置づけられており、kintoneに蓄積したデータの検索や、業務アプリの作成支援などをAIが担います。

外部の生成AIサービスを別途契約して連携させるのではなく、kintoneの画面や管理機能の中でAIを使える点が大きな特徴です。アクセス権や変更履歴が管理された業務アプリのデータをそのまま活用できるため、社内データとAIをつなぐ準備の手間を抑えられます。

kintone AIラボから正式版までの流れ

kintone AIの前身は、2025年4月にβ版として始まった「kintone AIラボ」です。スタンダードコースとワイドコースの利用者が無償で試せる場として、検索AIやアプリ作成AIが先行提供されました。

その後、2025年7月にプロセス管理設定AI、2025年10月にレコード一覧分析AIが加わり、機能が段階的に増えていきました。2026年4月22日にサイボウズが正式提供を発表し、2026年6月版のアップデート(6月14日)でAIラボの全機能が「kintone AI」として正式版に移行しています。

kintone AIのデータの取り扱い

公式サイトでは、kintone AIは顧客のデータをAIの学習に使用しないと明記されています。kintoneの情報共有基盤と同じ原則に従って運用されるという説明です。

サイボウズの開発者ブログ(2025年1月)では、AIによる回答生成の推論基盤としてAmazon Bedrockを採用した構成が紹介されています。選定理由として、入力データがLLMの学習に使われず第三者に提供されない点が挙げられていました。

kintone AIでできること、主要な6つの機能

kintone AIの機能は、大きく「データ活用を支援する機能」と「市民開発を支援する機能」の2つに分かれます。前者は蓄積したレコードを探す・読む・まとめる機能、後者は現場の担当者がアプリや業務フローを作るのを助ける機能です。

分類

機能名

できること

データ活用

検索AI

複数アプリを横断してデータを検索し、回答を生成する

データ活用

レコード一覧分析AI

レコード一覧の内容を要約・分析し、傾向や次の行動を示す

データ活用

スレッド要約AI

スレッドのコメント全体を要約する

市民開発

アプリ作成AI

チャットで相談しながら新しいアプリを作る

市民開発

プロセス管理設定AI

対話でワークフローの構成を提案・設定する

市民開発

アプリ設定レビューAI

社内ルールに沿ってアプリ設定をAIが確認する

検索AI

検索AIは、チャットで質問すると複数のアプリにまたがってレコードを検索し、内容をまとめた回答を返す機能です。回答には根拠となったレコードへのリンクが付くため、元の情報をすぐに確かめられます。

PDF・Excel・Wordなどの添付ファイルも検索対象にでき、社内制度やマニュアル、過去の問い合わせ履歴を探す用途に向いています。kintoneで設定したアクセス権が反映されるため、閲覧権限のない情報が回答に含まれることはありません。

レコード一覧分析AI

レコード一覧分析AIは、一覧に表示されたレコードの内容をAIが読み取り、要約や分析、レポートの作成、次のアクションの提案を行う機能です。2025年10月に提供が始まりました。

商談アプリで営業活動の状況を確認したり、問い合わせアプリでクレームの傾向をつかんだりする使い方が想定されています。アンケートの自由記述や日報のように、数値化しにくいテキストを読み解く場面で力を発揮します。

スレッド要約AI

スレッド要約AIは、kintoneのスペースやスレッドに投稿されたコメント全体を自動で要約する機能です。議論の流れや要点を短時間で把握できるため、途中からプロジェクトに参加したメンバーの情報キャッチアップに役立ちます。

アプリ作成AI

アプリ作成AIは、作りたいアプリの内容をチャットで伝えると、AIが必要なフィールドを提案してアプリを作成する機能です。都道府県のように選択肢が多いドロップダウンも、AIがまとめて設定してくれます。

β版時点の報道では、計算フィールドやルックアップには対応しておらず、運用中のアプリの設定変更ではなく新規作成に使う機能とされていました。最初のたたき台をAIで作り、細部は人が仕上げるという使い分けが現実的です。

プロセス管理設定AI

プロセス管理設定AIは、実現したい承認の流れを対話形式で伝えると、AIがフォームの設定を読み取ってワークフローを提案する機能です。提案はボタン一つで設定画面に反映でき、フロー図を見ながらチャットで少しずつ調整できます。

差し戻しや再申請といった一般的な業務プロセスの考え方に沿って提案されるため、プロセス管理の設定に慣れていない担当者でも稟議や申請のフローを組み立てやすくなります。

アプリ設定レビューAI

アプリ設定レビューAIは、管理画面にまとめた社内ルールに沿って、アプリの作成・更新時の設定をAIが確認する機能です。個人情報の管理やアクセス権の設定といった観点でチェックできるため、現場でアプリが増えても一定のガバナンスを保ちやすくなります。

kintone AIの料金と対象コース、AIクレジットの仕組み

kintone AIは、スタンダードコースまたはワイドコースを契約していれば追加料金なしで使えます。個別の申し込みは不要で、管理者が「kintone AI管理」画面で利用する機能を選ぶと使い始められます。

コース

月額料金(1ユーザーあたり・税抜)

最低契約ユーザー数

kintone AI

ライトコース

1,000円

10ユーザー

正式提供の対象外

スタンダードコース

1,800円

10ユーザー

追加料金なしで利用可能

ワイドコース

3,000円

1,000ユーザー

追加料金なしで利用可能

AIクレジットは毎月付与され、全ユーザーで共有する

正式版のkintone AIでは、対象コースに毎月一定数のAIクレジットが付与されます。付与数は契約コースと利用者数に応じて決まり、kintone AIの機能を使うたびに消費される仕組みです。

クレジットは全ユーザーで共有されるため、一部の部署が使い過ぎると他の部署が使えなくなるおそれがあります。サイボウズはクレジットを追加購入できる有償オプションを2026年秋頃に提供すると発表しており、利用が広がる組織では消費状況の把握と配分のルールづくりが欠かせません。

ライトコースで使いたい場合の考え方

ライトコースは、外部サービス連携やプラグインなどの拡張機能が使えない入門向けのコースです。kintone AIを活用したい場合は、スタンダードコースへの切り替えが前提になります。

1ユーザーあたり月800円の差は小さくありませんが、AI機能に加えてプラグインや外部連携の選択肢も広がります。AIで削減できる工数と、外部の生成AIサービスを個別に契約する場合の費用を比べて判断するとよいでしょう。

kintone AIと外部AIの連携、プラグイン・API・MCPの使い分け

kintone AIの標準機能だけでは足りない場合、外部の生成AIとkintoneをつなぐ方法があります。代表的なのは、プラグイン、REST API、MCPサーバーの3つです。

連携方法

特徴

向いているケース

プラグイン

画面設定だけで機能を追加できる

文章生成やOCRなど定型的なAI処理を早く導入したい

REST API

自社の要件に合わせて自由に作り込める

独自の業務ロジックや他システムとの連携が必要

MCPサーバー

ClaudeなどのAIからkintoneを直接操作できる

AIエージェントにレコード操作やアプリ設定を任せたい

プラグインで生成AI機能を追加する

kintoneには、生成AIと連携するプラグインや連携サービスが多数あります。たとえばソフトクリエイトの「Safe AI Gateway」はkintoneのアプリデータを活用して回答を生成するサービスで、kintoneの連携ソリューションとしては「AI-OCRプラグイン for kintone」なども公開されています。

プラグインはプログラミングなしで導入できる反面、提供元ごとに料金やデータの送信先が異なります。導入前に、入力したデータがどの事業者のどのAIモデルに送られるのかを必ず確認しましょう。

REST APIでChatGPTやClaudeと連携する

kintoneのREST APIを使えば、レコードの取得や登録をプログラムから行えます。ChatGPTやClaudeのAPIと組み合わせ、問い合わせへの回答文の下書き作成や、箇条書きメモからの日報作成といった処理を業務に合わせて組み込めます。

自由度が高い分、APIトークンの管理、エラー時の処理、AIの出力を人が確認する画面設計まで自分たちで用意する必要があります。複数のシステムをまたぐ処理や、kintone AIの標準機能では表現できない判断ロジックが必要な場合に向いた方法です。

kintone MCPサーバーでAIエージェントから操作する

MCP(Model Context Protocol)は、AIと外部ツールをつなぐための共通規格です。サイボウズはkintoneの公式ローカルMCPサーバーをOSS(Apache License 2.0)として公開しており、Claude DesktopなどMCPに対応したAIツールからkintoneを操作できます。

公式の開発者向けサイトによると、アプリ情報や設定の取得、レコードの取得・追加・更新・削除、ステータス更新、フィールドの追加・変更、動作テスト環境でのアプリ作成などに対応しています。一方で、APIサポート窓口の対象外であり、不具合報告や要望はGitHubで受け付ける形です。

MCPサーバー経由ではAIがレコードの削除や設定変更まで実行できるため、使うAPIトークンの権限を必要最小限に絞ることが重要です。AIエージェントの設計や業務への組み込み方については、AIエージェント開発の進め方やClaude APIとMCPを使った開発も参考にしてください。

kintone AIの活用例、部門別の使い方

kintone AIは、すでにkintoneに業務データがたまっている組織ほど効果を出しやすい機能です。ここでは、公式発表や報道で示されている用途をもとに、部門別の使い方を整理します。

総務・情報システム部門、社内問い合わせの自己解決

社内制度やマニュアル、過去の問い合わせ履歴をkintoneで管理している場合、検索AIで社員が自分で答えを探せるようになります。回答に根拠レコードへのリンクが付くため、問い合わせを受ける側も元の規程を示しながら案内できます。

管理者はシステムプロンプトで回答の方向性を調整できるため、「必ず規程の該当箇所を示す」といったルールを決めておくと運用が安定します。

営業部門、日報や商談履歴の分析

営業日報や商談履歴のアプリにレコード一覧分析AIを使えば、担当者ごとの活動状況や失注理由の傾向を短時間でつかめます。マネージャーが全件を読み込まなくても、一覧から要点と次のアクション候補を引き出せる点が利点です。

カスタマーサポート部門、クレームや要望の傾向把握

問い合わせ管理アプリに蓄積した自由記述をkintone AIで分析すると、クレームや要望の傾向を把握しやすくなります。外部の生成AIと連携すれば、回答文の下書きをAIが作り、担当者が確認・修正して送る運用も可能です。

現場部門、申請アプリやワークフローの自作

アプリ作成AIとプロセス管理設定AIを使えば、IT部門に依頼しなくても現場で申請アプリや承認フローのたたき台を作れます。アプリ設定レビューAIと組み合わせることで、現場主導のアプリ作成と社内ルールの順守を両立しやすくなります。

ノーコードで業務アプリを広げる考え方については、ノーコード開発の基礎でも解説しています。

kintone AI導入時の注意点、データ整備・権限・セキュリティ

kintone AIは導入の手軽さが魅力ですが、元データや権限の状態がそのまま回答の質とリスクに表れます。ここでは導入前に確認しておきたい3つの観点を整理します。

データ整備、AIが読める形で記録されているか

β版時点で公開されていた検索AIの仕様では、検索対象は文字列(1行・複数行)、リッチエディター、リンク、添付ファイルなどのフィールドで、数値や日時、チェックボックスは対象外とされていました。回答の生成に使われるのは関連度の高い上位5件のレコードで、添付ファイルは1フィールドあたり約1万文字までが参照されるという説明です。

つまり、重要な情報が数値フィールドや選択肢だけで記録されているアプリでは、期待した回答が得られにくくなります。表記ゆれの統一や、要点をテキストで残す運用など、AIが読み取りやすいデータの持ち方を見直しておきましょう。

権限設計、元データのアクセス権が正しいか

kintone AIは、アプリ・レコード・フィールド単位のアクセス権を考慮して回答を生成します。逆にいえば、元データの権限設定が緩いままだと、本来見せるべきでない情報が検索で見つかりやすくなります。

検索AIの公開範囲を全ユーザーにする前に、データソースにするアプリとフィールドの権限を棚卸ししておくことが大切です。外部AIと連携する場合も、APIトークンやMCPサーバーに与える権限を業務に必要な範囲だけに限定します。

AIの回答を確定情報として扱わない

kintone AIの回答は、あくまで参考情報です。登録されていない情報には答えられず、合計や人数などの集計を主とする質問も苦手とされています。

規程の解釈や顧客への回答など影響の大きい業務では、根拠レコードを人が確認してから使う運用ルールを決めておきましょう。生成AIはもっともらしい誤りを含むことがあるという前提で、確認の手順を業務フローに組み込んでおくことが重要です。

kintoneとAIで業務システムを作る設計ポイント、kintone AIを活かすために

kintone AIを本格的に業務へ組み込むなら、AI機能の使い方より先に、業務システムとしての設計を固めることが近道です。ここでは、kintoneとAIを組み合わせたシステムづくりで押さえたい4つのポイントを紹介します。

データ構造を、AIが使う前提で設計する

AIが活用できるのは、kintoneに記録されたデータだけです。どのアプリにどの粒度で情報を残すか、判断の理由や経緯をテキストで残すかといったデータ構造の設計が、そのままkintone AIの回答品質を左右します。

権限と運用ルールを先に決める

アプリが増えてから権限を整えるのは大きな手間になります。部門ごとの公開範囲、AIに参照させるアプリ、クレジットの配分、AIの出力を誰が確認するかを、導入初期に決めておくと運用が崩れにくくなります。

標準機能、プラグイン、個別開発を段階的に使い分ける

最初はkintone AIの標準機能で小さく試し、足りない部分をプラグインで補い、それでも表現できない処理だけをAPIやMCPで個別開発する、という段階的な進め方が現実的です。最初から作り込み過ぎると、kintoneの手軽さという利点が失われます。

kintoneで作るべきか、業務システムとして作るべきかを見極める

kintoneは現場で素早くアプリを作れる一方、複雑な計算処理や大量データの処理、独自の画面体験が必要な業務には向かない場合があります。AIエージェントに複数システムをまたいだ業務を任せたいケースでは、kintoneをデータの置き場としつつ、周辺を業務システムとして開発する構成も選択肢です。

どこまでをkintoneで担い、どこからを個別の業務システムとして作るかの判断は、業務フローと利用者の体験の両面から検討する必要があります。業務システム開発の全体像は業務システム開発の進め方で解説しています。

まとめ

kintone AIは、サイボウズがkintoneに組み込んだ公式のAI機能群です。2025年4月にβ版のkintone AIラボとして始まり、2026年6月14日に正式提供へ移行しました。スタンダードコースとワイドコースでは追加料金なしで使え、毎月付与されるAIクレジットを全ユーザーで共有して消費します。

主な機能は、検索AI・レコード一覧分析AI・スレッド要約AIといったデータ活用の機能と、アプリ作成AI・プロセス管理設定AI・アプリ設定レビューAIといった市民開発を支える機能です。標準機能で足りない部分は、プラグイン、REST API、公式のkintone MCPサーバーを使って外部AIと連携できます。

一方で、kintone AIの回答品質と安全性は、元データの持ち方と権限設計に大きく左右されます。データ構造と運用ルールを先に整え、標準機能から段階的に広げていくことが、kintoneとAIで業務を変えるための確実な進め方です。

kintone AIに関するよくある質問

kintone AIは追加料金がかかりますか

スタンダードコースとワイドコースでは、追加料金なしでkintone AIを利用できます。毎月一定数のAIクレジットが付与され、機能を使うたびに消費される仕組みです。クレジットを追加購入できる有償オプションは、2026年秋頃の提供予定と発表されています。

kintone AIが使えないのはなぜですか

まず契約コースを確認してください。kintone AIの対象はスタンダードコースとワイドコースです。対象コースでも、管理者が「kintone AI管理」画面で利用する機能を有効にしていなければ使えません。検索AIの場合は、データソースのアプリや利用者の設定も必要です。

kintone AIに入力したデータはAIの学習に使われますか

公式サイトでは、kintone AIは顧客のデータをAIの学習に使用しないと明記されています。ただし、プラグインや外部の生成AIサービスと連携する場合は、データの送信先や取り扱いが提供元ごとに異なるため、個別に確認が必要です。

kintone AIとChatGPTやClaudeは併用できますか

併用できます。kintoneのREST APIや生成AI連携プラグインを使う方法のほか、サイボウズが公開している公式のkintone MCPサーバーを使えば、Claude DesktopなどMCPに対応したAIツールからkintoneのレコードやアプリ設定を操作できます。

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会社概要

社名

株式会社FAKE

住所

〒150-6090 東京都渋谷区恵比寿4丁目20-4 Portal Ebisu H1

代表取締役

高橋 才将

設立

2020年1月

事業

DXコンサル、新規事業コンサル、システム開発、UIUXデザイン