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受発注システムとは?機能と種類、パッケージか開発かの判断基準

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作成日 :

2026/10/15 21:30

更新日 :

2026/10/15 21:03

朝一番に届いたFAXの注文書を見ながら、担当者が販売管理の画面に一件ずつ入力し直す。電話で受けた追加注文はメモで回し、在庫の確認は倉庫に内線で聞く。こうした受発注業務の手作業をなくす仕組みが受発注システムです。

ただ、製品を入れれば解決するほど単純ではありません。取引先に使ってもらえるか、自社の商習慣に合うか、既存の販売管理とどうつなぐかで、成果は大きく変わります。

この記事では、受発注システムの機能と種類から、導入でつまずきやすい点、パッケージと開発のどちらを選ぶかの判断基準までを解説します。

この記事を読むと理解できること

  • 受発注システムの定義と、販売管理や在庫管理、EDIとの関係

  • 受注側と発注側それぞれで使われる主な機能

  • Web受発注型やEDI型など受発注システムの種類と向き不向き

  • 受発注システムの導入でつまずきやすい取引先対応とマスタ整備

  • パッケージで足りるか、開発すべきかを見極める判断基準

  • 受発注システムを段階的に導入する進め方

受発注システムとは何か

受発注システムとは、企業間でやり取りされる注文の受け付け、発注、状況の確認を、電話やFAX、メールに頼らずデータでつなぐ仕組みです。結論として、受発注システムの価値は入力の手間を減らすことだけでなく、注文の情報を一度の入力で社内外の関係者に正しく届けることにあります。

電話・FAX・メールの受発注で起きていること

アナログな受発注では、取引先が書いた注文書を受注側の担当者が読み取り、自社のシステムに入力し直します。この転記の工程で、品番の読み違いや数量の入力ミスが起こりやすくなります。

さらに、注文の状況を確認するたびに電話がかかってきたり、担当者しか分からない取引先ごとの特別な条件が残ったりと、業務が人に依存しがちです。受発注システムは、こうした転記と問い合わせの往復を減らすことを目的としています。

受注側と発注側どちらの業務か

受発注システムという言葉は、受注する側の業務を効率化する製品にも、発注する側の購買業務を効率化する製品にも使われます。まず自社がどちらの立場で導入するのかを決めることが、製品選びの出発点になります。

卸売業や製造業のように、取引先から多くの注文を受ける企業は受注側の機能が中心です。飲食チェーンや小売業のように、多くの仕入れ先に発注する企業は発注側の機能が中心になります。

販売管理・在庫管理・EDIとの関係

受発注システムは、販売管理や在庫管理と機能が重なる部分があり、境界が分かりにくい領域です。関係を整理すると次のとおりです。

システム

主な役割

受発注システムとの関係

受発注システム

取引先との注文のやり取りをデータ化する

取引先との接点を担う

販売管理システム

受注から出荷、請求、入金までを管理する

受注データの受け取り先になることが多い

在庫管理システム

在庫数や入出庫を管理する

受注時の在庫引き当てで連携する

EDI

企業間で取引データを標準的な形式で交換する

受発注システムの一つの方式として使われる

販売管理システムの中に受注の機能が含まれている場合もあります。その場合は、取引先が直接注文を入力する画面だけを受発注システムとして追加する構成も考えられます。

導入で期待できる効果

導入の効果として大きいのは、転記に伴う入力ミスの削減と、受注処理にかかる時間の短縮です。取引先が画面から直接注文できれば、営業時間外の注文も受け付けられます。

また、注文の情報がデータとして蓄積されるため、取引先別や商品別の注文の傾向を把握しやすくなります。担当者の経験に頼っていた需要の読みを、データで裏づけられるようになる点も見逃せません。

受発注システムにはどんな機能があるのか

受発注システムの機能は、受注側と発注側で中心が異なります。結論として、どちらの立場でも核になるのは、注文データを正確に受け渡す機能と、取引先ごとの条件を管理するマスタの機能です。

受注側と発注側の主な機能

代表的な機能を立場別に整理します。

立場

主な機能

解決すること

受注側

取引先向けの注文画面、受注一覧、在庫引き当て

転記作業と在庫確認の電話を減らす

受注側

出荷指示、納品書や請求書の発行

受注から出荷までの手作業を減らす

発注側

発注書の作成、定期発注、過去の発注の複製

発注の手間と抜け漏れを減らす

発注側

発注状況の確認、納期の通知

取引先への問い合わせを減らす

共通

商品・取引先・価格のマスタ、承認フロー

取引条件を正しく反映する

共通

他システムとの連携、データ出力

販売管理や会計への二重入力をなくす

製品によって得意な領域は異なるため、自社の課題がどの機能で解決するのかを先に整理しておくと比較がしやすくなります。

見落とされやすいマスタと価格の機能

受発注システムの導入で最も手間がかかるのは、画面の操作よりもマスタの整備です。取引先ごとの掛け率や特別価格、取り扱い商品の範囲、締め時間や納品のリードタイムなど、取引条件を正しく登録できなければ、注文を受けても結局は人が確認し直すことになります。

製品を比較する際は、自社の取引条件をマスタで表現できるかを、実際の取引先の例を使って確かめることをおすすめします。

連携機能で二重入力をなくす

受発注システム単体で業務が完結することは少なく、販売管理、在庫管理、会計などとの連携が欠かせません。連携の方式がファイルの手動取り込みなのか、自動の連携なのかで、運用の手間は大きく変わります。

複数のクラウドサービスや社内システムをつなぐ場合は、連携基盤を使う方法もあります。考え方はiPaaSの仕組みと導入の進め方で整理しています。

受発注システムにはどんな種類があるのか

受発注システムは、取引先とのつなぎ方と製品の作り方によって、いくつかの種類に分かれます。結論として、取引先の数と一社あたりの取引量で、まずWeb受発注型かEDI型かを判断するのが分かりやすい方法です。

取引先とのつなぎ方による種類

代表的な種類と、向いている取引の形を比較します。

種類

仕組み

向く取引

注意点

Web受発注型

取引先がブラウザの画面から注文する

多数の取引先との小口の取引

取引先に画面操作を覚えてもらう必要がある

EDI型

企業のシステム同士でデータを直接交換する

大口で定型的な取引

双方の対応と導入の負荷が大きい

販売管理一体型

受注から在庫、請求までを一つの製品で扱う

社内の業務をまとめて刷新したい場合

既存システムの置き換えが前提になりやすい

業界特化型

業界の商習慣を標準機能として持つ

食品や建材など業界固有の取引

他業界の取引への拡張は難しい

一つの種類に絞る必要はありません。大口の取引先とはEDIでつなぎ、中小の取引先にはWeb受発注の画面を用意するといった併用も一般的です。

提供形態による違い

提供形態では、クラウド型、パッケージをもとに調整する形、ゼロから開発する形に分かれます。クラウド型は導入が早く初期費用を抑えやすい一方、自社独自の取引条件への対応には限界があります。

パッケージの調整や個別開発は自由度が高い反面、費用と期間がかかります。どの形態が合うかは、後述する判断基準で見極めます。

既存のEDIを使っている場合の注意点

電話回線を使った従来型のEDIを利用している企業は、通信環境の変化への対応が必要です。NTT東日本によると、INSネットのディジタル通信モードは2024年1月から段階的に提供を終了しており、切り替え後に提供されている補完策も2028年12月31日に提供を終了するとされています。

取引先ごとに通信の方式が異なることも多いため、受発注システムの見直しとあわせて、取引先の対応状況を早めに確認しておくと安心です。

受発注システムの導入でつまずきやすい点は何か

受発注システムの導入でつまずく原因の多くは、製品の機能ではなく、取引先と社内の運用にあります。結論として、取引先に使ってもらう工夫、マスタの整備、例外取引の扱いの三つを、製品選びと同じ重さで計画することが大切です。

取引先に使ってもらえない

受発注システムは、取引先が使ってくれなければ効果が出ません。慣れたFAXや電話のほうが楽だと感じられると、新しい画面は使われず、結局はアナログの受注と二重に運用することになります。

取引先にとっての手間が増えていないか、スマートフォンからでも注文できるか、過去の注文をすぐに呼び出せるかといった観点で、取引先側の画面を確認することが重要です。FAKEはデザインドリブン®のアプローチで業務システムの画面設計に取り組んでいますが、受発注システムでは特に、社外の利用者が説明なしで使えるかどうかが定着を左右すると考えています。

マスタが整っていない

商品コードや取引先ごとの価格が、担当者の手元の表計算ファイルに散らばっている企業は少なくありません。この状態のまま受発注システムを入れても、注文のたびに価格や条件を人が確認し直すことになります。

導入前に、商品と取引先と価格の情報を一つに集め、表記ゆれや重複を整理しておくことが欠かせません。この作業は想像以上に時間がかかるため、導入計画に十分な期間を確保しておきます。

例外取引をすべて乗せようとする

特別価格での注文、分納、急ぎの追加注文など、例外的な取引はどの企業にもあります。これらをすべてシステムで処理しようとすると、設定が複雑になり、かえって現場が使いにくくなります。

まずは件数の多い標準的な取引をシステムに乗せ、例外は当面は従来の方法で受ける判断も有効です。例外の件数と内容を記録しておけば、次の改善で何を取り込むべきかが見えてきます。

帳票の保存ルールを確認する

受発注システムで扱う注文書や納品書、請求書などのデータは、保存の要件を満たしているかの確認も必要です。電子データでやり取りした取引情報の保存については、電子帳簿保存法のシステム対応で要件の整理から解説しています。

受発注システムはパッケージと開発のどちらを選ぶべきか

受発注システムをパッケージやクラウドサービスで導入するか、自社向けに開発するかは、多くの企業が迷うポイントです。結論として、標準機能で業務の大半が回るならパッケージを選び、取引条件や業務の流れそのものが競争力になっている場合に開発を検討するのが基本です。

判断の基準

パッケージと開発のどちらに寄せるかは、次の観点で判断します。

観点

パッケージ・クラウドに寄せる

開発に寄せる

取引条件

一般的な掛け率と価格の設定で表現できる

複雑な価格計算や独自の商習慣がある

業務の独自性

同業他社とほぼ同じ流れで回る

受注の流れそのものが強みになっている

既存システムとの関係

標準的な連携で足りる

基幹システムと密に連携する必要がある

取引先の画面

標準の画面で取引先が使える

取引先ごとに最適化した画面が必要

変化の頻度

業務の変更が少ない

取引の形が頻繁に変わる

判断に迷う場合は、まずパッケージで業務を回してみて、どうしても収まらない要件だけを個別開発の対象にする進め方が現実的です。パッケージを土台にして、足りない部分だけを開発でつなぐ構成もあります。

ゼロから開発する場合の進め方や向き不向きは、スクラッチ開発の解説記事で詳しく整理しています。

段階的な導入の進め方

受発注システムの導入は、次の順で進めると失敗が少なくなります。最初に、現在の受発注の流れと、取引先ごとの注文の方法、例外取引の内容を書き出します。

次に、その情報をもとに必要な機能と連携の要件をまとめ、候補の製品を実際の取引の例で試します。導入後は、協力的で注文の多い取引先から順に切り替え、運用が安定してから対象を広げます。

導入の効果を測る指標を決めておく

導入の効果は、受注一件あたりの処理時間だけでなく、転記が必要な注文の件数、注文状況に関する問い合わせの件数、システム経由で注文してくれる取引先の割合などで測ります。導入前の数値を記録しておかなければ、効果を社内に説明できません。

特に取引先の切り替え率は、受発注システムが実際に使われているかを示す重要な指標です。切り替えが進まない取引先には、操作のどこでつまずいているのかを聞き、画面や運用の改善につなげます。

開発パートナーに相談する前に整理すること

開発やカスタマイズを検討する場合は、現在の業務の流れ、取引先の種類と数、既存システムとの連携の範囲、例外取引の内容を整理してから相談すると、提案や見積もりを比較しやすくなります。

業務システム全体の刷新と合わせて検討するなら、開発会社の選び方を業務システム・DXに強い開発会社の選び方で確認しておくと判断の助けになります。

まとめ

受発注システムは、電話やFAX、メールで行っていた注文のやり取りをデータでつなぎ、転記と問い合わせの往復を減らす仕組みです。受注側と発注側のどちらで使うか、取引先とどうつなぐかによって、必要な機能と種類が変わります。

導入の成否を分けるのは、製品の機能よりも、取引先に使ってもらえる画面、整ったマスタ、例外取引の扱いといった運用の設計です。標準機能で業務が回るならパッケージを選び、取引の形そのものが強みになっている部分だけを開発する判断が現実的です。

現状の受発注の流れを書き出し、協力的な取引先から段階的に切り替えていけば、無理なく受発注業務のデジタル化を進められます。

受発注システムに関するよくある質問

受発注システムとEDIは何が違いますか

EDIは企業のシステム同士で取引データを標準的な形式で交換する仕組みで、受発注システムを実現する方式の一つです。受発注システムには、EDIのほかに、取引先がブラウザの画面から注文するWeb受発注型などもあります。大口で定型的な取引はEDI、多数の取引先との小口の取引はWeb受発注型が向いています。

小規模な企業でも受発注システムは導入できますか

導入できます。クラウド型の製品であれば初期の費用と期間を抑えやすく、取引先の数が少なくても、転記ミスの削減や注文状況の確認の手間を減らす効果は期待できます。まずは注文の多い取引先や商品に絞って始めると無理がありません。

取引先にシステムを使ってもらうにはどうすればよいですか

取引先にとっての利点を具体的に伝え、操作の負担を小さくすることが基本です。過去の注文をすぐに呼び出せる、注文状況を電話せずに確認できるといった利点を示し、協力的な取引先から順に切り替えていきます。切り替え直後はFAXや電話での注文も並行して受け付け、徐々に移行してもらう方法が現実的です。

既存の販売管理システムと連携できますか

多くの受発注システムは、販売管理や会計などのシステムとの連携機能を持っています。ただし、連携の方式がファイルの取り込みなのか自動連携なのか、自社の販売管理側がどの方式に対応しているのかで、運用の手間は大きく変わります。製品を選ぶ前に、既存システム側で利用できる連携の方法を確認しておくことが大切です。

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2026/10/15 21:30

更新日 :

2026/10/15 21:03

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会社概要

社名

株式会社FAKE

住所

〒150-6090 東京都渋谷区恵比寿4丁目20-4 Portal Ebisu H1

代表取締役

高橋 才将

設立

2020年1月

事業

DXコンサル、新規事業コンサル、システム開発、UIUXデザイン