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iPaaSとは?仕組みとRPA・ESBとの違い、導入の進め方を解説

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  • システム開発

作成日 :

2026/10/2 08:24

更新日 :

2026/10/2 02:08

会計、営業支援、勤怠、チャットと、部門ごとにSaaSを導入した結果、同じ顧客情報を何度も入力していたり、毎月CSVを書き出して別のシステムに取り込んだりしている企業は少なくありません。こうしたシステム間の分断を解消する手段として、iPaaSへの関心が高まっています。

iPaaSは便利な一方で、RPAやESBとの違いが分かりにくく、何から検討すべきか迷いやすい領域でもあります。この記事では、iPaaSの定義と仕組み、関連技術との違い、種類、メリットと注意点、導入の進め方までを解説します。

この記事を読むと理解できること

  • iPaaSの基本的な定義と読み方

  • iPaaSがシステムをつなぐ仕組みと主な機能

  • iPaaSとRPA・ESB・EAI・SaaSとの違い

  • iPaaSの主な種類と特徴

  • iPaaSを導入するメリットと注意点

  • iPaaS導入を進めるための手順と判断のポイント

iPaaSとは何か?

結論から言うと、iPaaSとは、複数のクラウドサービスや社内システムをつなぎ、データの連携や業務の自動化をクラウド上で実現するための統合基盤です。システムごとに個別の連携プログラムを書くのではなく、用意された部品を組み合わせて連携の流れを作れる点が特徴です。

iPaaSの定義と読み方

iPaaSは、Integration Platform as a Serviceの略で、アイパースと読みます。直訳すると「サービスとして提供される統合プラットフォーム」です。

クラウド上で提供されるため、自社でサーバーを用意する必要がなく、契約すればすぐに利用を始められます。連携の対象は、SaaS同士だけでなく、オンプレミスの基幹システムやデータベースまで含むのが一般的です。

iPaaSが必要とされる背景

iPaaSが求められる背景には、企業内で使われるSaaSの急増があります。部門ごとに最適なツールを選んだ結果、データが各サービスに分散し、全体像を把握しにくくなるという問題が起こっています。

従来は、システム同士をつなぐたびに個別の連携プログラムを開発していました。しかし、つなぐ組み合わせが増えるほど開発と保守の負担は膨らみます。iPaaSは、この連携を1つの基盤に集約し、管理しやすくするために使われます。

iPaaSで解決できる典型的な課題

代表的な課題は、同じデータの二重入力、手作業によるCSVの受け渡し、システム間で数字が合わないといった問題です。iPaaSを使えば、あるシステムでデータが更新されたことをきっかけに、別のシステムへ自動で反映できます。

たとえば、営業支援ツールで受注が登録されたら、会計システムに売上データを送り、チャットで担当者に通知するといった一連の流れを自動化できます。

iPaaSはどのような仕組みで動くのか?

iPaaSは、コネクタ、データ変換、ワークフローの3つの仕組みを組み合わせて動きます。各システムとの接続口を用意し、データの形式をそろえ、決められた順番で処理を流すことで、システム間の連携を実現します。

コネクタとAPIによる接続

コネクタとは、特定のサービスと接続するためにあらかじめ用意された部品です。多くのiPaaSは、主要なSaaSに対応したコネクタを提供しており、認証情報を設定するだけで接続できます。

コネクタの裏側では、各サービスが公開しているAPIが使われています。APIはシステム同士がデータをやり取りするための窓口で、iPaaSはこの窓口を扱いやすい形で包んで提供していると考えると分かりやすいでしょう。

データ変換とマッピング

システムごとに、日付の書き方や顧客コードの桁数、項目名などは異なります。そのままデータを渡すと、受け取る側で正しく処理できません。

iPaaSには、項目同士の対応関係を定義し、形式を変換する機能があります。これにより、送り手と受け手のデータ形式の違いを吸収できます。

ワークフローとトリガー

ワークフローとは、どのタイミングで、どのデータを、どこへ送るかを定義した処理の流れです。データの更新をきっかけに動くイベント型と、毎日決まった時刻に動くスケジュール型があります。

多くのiPaaSでは、画面上で部品を並べてワークフローを作れるため、プログラミングの専門知識がなくても一定の連携を構築できます。

iPaaSとRPA・ESB・EAIの違いは?

iPaaSとRPAの違いは、システムをAPIでつなぐか、画面操作を代行するかにあります。ESBやEAIとの違いは、主にクラウド上で提供されるか、自社環境に構築するかという点です。

iPaaSとRPAの違い

RPAは、人がパソコン上で行う画面操作をソフトウェアロボットが代行する仕組みです。APIがない古いシステムでも使える一方、画面のレイアウトが変わると動かなくなるなど、変化に弱い面があります。

iPaaSは、APIを通じてシステム同士を直接つなぐため、画面の変更に左右されにくく、大量のデータも安定して扱えます。両者は競合するものではなく、APIがある部分はiPaaS、ない部分はRPAと使い分けるのが現実的です。

この組み合わせは、ガートナーが2020年の戦略的テクノロジートレンドに挙げたハイパーオートメーションの考え方とも重なります。RPAとAIエージェントの違いについては、RPAとAIエージェントの違いを解説した記事も参考になります。

iPaaSとESB・EAIの違い

ESBやEAIは、企業内のシステムを連携させるための仕組みとして以前から使われてきました。多くの場合、自社のサーバー環境に構築し、社内システム同士の連携を中心に担ってきました。

iPaaSは、こうした連携の考え方をクラウドサービスとして提供するものです。SaaSなど外部のクラウドサービスとの連携に強く、環境の構築や保守をサービス提供側に任せられる点が異なります。

関連技術との比較表

主な関連技術との違いを整理すると、次のとおりです。

技術

主な役割

提供形態

得意な場面

iPaaS

システム間のデータ連携と自動化

クラウドサービス

SaaSを含む複数システムの連携

RPA

画面操作の自動化

ソフトウェア導入またはクラウド

APIがないシステムの定型作業

ESB・EAI

社内システムの統合

主に自社環境に構築

オンプレミス中心の大規模連携

SaaS

特定業務のアプリケーション提供

クラウドサービス

会計や営業支援などの個別業務

PaaS

アプリケーションの開発実行環境

クラウドサービス

独自アプリケーションの開発

名前が似ているSaaSやPaaSとは、提供するものがまったく異なります。SaaSは業務アプリそのもの、PaaSは開発環境であり、iPaaSはそれらをつなぐための基盤です。

iPaaSにはどのような種類があるのか?

iPaaSは、得意とする連携の型によっていくつかの種類に分けられます。自社の課題がどの型に近いかを見極めることが、適切なiPaaSを選ぶ第一歩です。

レシピ型

レシピ型は、あらかじめ用意された連携の手順を選び、条件を設定するだけで使えるタイプです。「このサービスで登録されたら、あのサービスに通知する」といった比較的シンプルな連携に向いています。

専門知識がなくても扱いやすく、現場の担当者が自ら業務を自動化するきっかけになります。

ETL・ELT型

ETL・ELT型は、複数のシステムからデータを抽出し、変換して、分析用のデータ基盤に集約することを得意とするタイプです。経営指標の可視化や、部門をまたいだデータ分析を目的とする場合に向いています。

EAI・ESB型

EAI・ESB型は、基幹システムを含む多数のシステムを、複雑な条件でリアルタイムに連携させることを得意とするタイプです。機能が豊富な分、設計や運用には一定の専門性が求められます。

組み込み型iPaaS

組み込み型iPaaSは、SaaSを提供する企業が、自社製品の中に連携機能を組み込むために使うタイプです。利用企業から見ると、使っているSaaSの設定画面から他サービスとの連携ができるようになります。

iPaaSを導入するメリットと注意点は?

iPaaSを導入する最大のメリットは、連携の開発と保守の負担を減らし、システム間のデータを素早くつなげられることです。一方で、連携が増えるほど全体の管理が難しくなるため、運用のルールづくりが欠かせません。

主なメリット

1つ目のメリットは、開発期間の短縮です。コネクタやテンプレートを使えば、個別に連携プログラムを書くより短期間で連携を実現できます。

2つ目は、保守負担の軽減です。接続先のAPIの仕様変更への対応や基盤の運用をサービス提供側が担うため、自社の保守作業を減らせます。

3つ目は、連携の見える化です。どのシステムがどのデータをやり取りしているかを1つの画面で確認でき、障害時の原因特定もしやすくなります。

注意すべきポイント

注意したいのは、手軽に連携を作れるがゆえに、管理されない連携が増えてしまうことです。部門ごとに連携を作り続けると、誰が何のために作ったか分からない処理が残り、思わぬ不具合の原因になります。

また、料金体系は処理件数や接続数に応じて変わるものが多く、利用が増えると費用も膨らみます。扱うデータに個人情報や機密情報が含まれる場合は、データの保管場所やアクセス権限の確認も必要です。

メリットと注意点の整理

論点

メリット

注意点

スピード

コネクタで早く連携できる

設計を省くと後で作り直しになる

保守

基盤の運用を任せられる

サービス提供側の仕様に依存する

費用

個別開発より初期費用を抑えやすい

処理量に応じて費用が増える

管理

連携を1か所で把握できる

野良の連携が増えると混乱する

iPaaS導入はどのように進めればよいか?

iPaaSの導入は、ツール選びから始めるのではなく、どの業務のどのデータをつなぎたいのかを明確にすることから始めます。そのうえで小さな連携から試し、運用ルールを整えながら範囲を広げていく進め方が効果的です。

ステップ1 業務とデータの流れを可視化する

最初に、対象となる業務で、どのシステムからどのシステムへ、どのデータが流れているのかを洗い出します。手作業で転記している箇所や、CSVでやり取りしている箇所は、iPaaSで自動化できる候補になります。

この作業を通じて、データの正本がどこにあるのかも整理しておくと、後の設計がぶれにくくなります。

ステップ2 優先する連携を決めてiPaaSを選ぶ

次に、効果が大きく、かつ実現しやすい連携から優先順位をつけます。iPaaSを選ぶ際は、対象システムのコネクタがあるか、必要なデータ変換ができるか、処理量に対して費用が見合うかを確認します。

ノーコードで使えるかどうかも重要な観点ですが、将来的に複雑な連携が必要になる可能性があるなら、拡張性も合わせて確認しておくべきです。

ステップ3 小さく試して運用ルールを整える

最初は1つか2つの連携に絞って導入し、実際の業務で問題なく動くかを確かめます。並行して、連携の作成者と承認者、命名規則、障害時の連絡先といった運用ルールを決めます。

連携が増えても全体を把握できるよう、一覧表や管理台帳を用意しておくと安心です。

ステップ4 業務の自動化へ範囲を広げる

連携の基盤が安定したら、データの受け渡しだけでなく、承認や通知を含む業務全体の自動化へと範囲を広げます。近年は、AIを組み込んだ処理をワークフローの一部に加える使い方も増えています。

業務全体の自動化の考え方は、AIワークフローの自動化を解説した記事で詳しく扱っています。また、基幹システムを部品の組み合わせで構成する考え方とiPaaSは相性がよく、コンポーザブルERPを解説した記事もあわせて読むと理解が深まります。

現場の使い勝手まで含めて設計する

iPaaSで裏側の連携を整えても、現場の画面操作が複雑なままでは、効果は限定的です。データがつながった結果、現場の誰がどの画面で何をしなくて済むようになるのかまで設計して初めて、業務は楽になります。

株式会社FAKEでは、デザインドリブン®の考え方で業務システムのUI/UXを設計し、現場に入り込むFDE型の支援で連携と画面を一体で見直すことを重視しています。業務システムへのAI連携を外部と進める場合の観点は、業務システムへのAI開発に強い会社の選び方をまとめた記事で整理しています。

まとめ

iPaaSとは、クラウドサービスや社内システムをつなぎ、データ連携と業務の自動化を実現するクラウド型の統合基盤です。コネクタ、データ変換、ワークフローの仕組みによって、個別開発に頼らずに連携を構築できます。

RPAは画面操作の代行、ESBやEAIは主に自社環境での統合を担い、iPaaSはクラウド上でSaaSを含む連携を担うという違いがあります。導入では、業務とデータの流れを可視化し、小さな連携から試しながら運用ルールを整えることが重要です。

整理すると、iPaaSは連携を速く作るための道具であると同時に、連携を管理し続けるための基盤です。つなぐ目的と管理の仕組みを先に決めてから、ツール選びに進んでください。

iPaaSに関するよくある質問

iPaaSを使うのにプログラミングの知識は必要ですか?

レシピ型など多くのiPaaSは、画面上の操作で連携を作れるため、簡単な連携であればプログラミングの知識がなくても構築できます。

ただし、複雑なデータ変換や例外処理を含む連携では、APIやデータ構造の理解が必要になる場面があります。

iPaaSとRPAはどちらを導入すべきですか?

対象のシステムがAPIを公開しているならiPaaS、APIがなく画面操作しかできないならRPAが基本の考え方です。

実際には両方を組み合わせて使うケースも多く、どちらか一方に決める必要はありません。

オンプレミスの基幹システムもiPaaSでつなげますか?

多くのiPaaSは、オンプレミスのシステムやデータベースと接続するための仕組みを用意しています。社内ネットワークに中継用のソフトウェアを設置して接続する方式が一般的です。

ただし、対応範囲は製品によって異なるため、接続したいシステムに対応しているかを事前に確認する必要があります。

iPaaSを導入したあとに起こりやすい問題は何ですか?

起こりやすいのは、部門ごとに連携が作られ、全体を誰も把握できなくなる問題です。作成者が異動すると、その連携の目的や仕様が分からなくなることもあります。

導入の初期段階から、連携の管理台帳や作成ルールを整えておくことで、この問題を防ぎやすくなります。

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会社概要

社名

株式会社FAKE

住所

〒150-6090 東京都渋谷区恵比寿4丁目20-4 Portal Ebisu H1

代表取締役

高橋 才将

設立

2020年1月

事業

DXコンサル、新規事業コンサル、システム開発、UIUXデザイン