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ワークフローシステムとは?機能・種類と現場に定着させる導入の進め方

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作成日 :

2026/10/2 08:24

更新日 :

2026/10/2 02:17

稟議書を回したら、承認者が出張中で一週間止まっていた。経費の申請書がどこにあるのか、誰も答えられない。こうした「申請と承認の詰まり」は、多くの会社で日常的に起きています。

その解決策としてよく名前が挙がるのがワークフローシステムですが、導入したのに結局メールと紙が残った、という声も少なくありません。仕組みそのものより、業務の流れと画面の設計が成否を分けるからです。

この記事では、ワークフローシステムとは何かという基本から、機能、種類、選び方、そして現場に定着させる進め方までを解説します。

この記事を読むと理解できること

  • ワークフローシステムとは何か、ワークフローという言葉の意味

  • 申請フォームや承認ルート設定など、代表的な機能の役割

  • 導入によって承認スピードや内部統制がどう変わるか

  • クラウド型とオンプレミス型、汎用型と特化型の違い

  • 選定時に確認すべきチェックポイント

  • 導入後に現場で使われ続けるための進め方と画面設計の考え方

ワークフローシステムとはどんな仕組みなのか?

結論から言うと、ワークフローシステムとは、社内の申請から承認、決裁までの一連の流れを電子化し、決められたルートで自動的に回すための仕組みです。紙の書類と押印、メールでの確認依頼といった手作業を、ひとつのシステム上に集約します。

ワークフローという言葉の意味

ワークフローとは、業務の流れや手続きの順序を指す言葉です。たとえば「担当者が申請し、課長が確認し、部長が承認し、経理が処理する」という順番そのものがワークフローにあたります。

この順番は、会社の規程や職務権限によって決まっています。金額によって承認者が変わる、部署によって経由する人が違うといった条件も、ワークフローの一部です。

ワークフローシステムは、こうした条件付きの流れをルールとして登録し、申請が出された時点で次に回すべき人へ自動的に届けます。人が「次は誰に回せばいいか」を考える手間がなくなる点が、最初の価値です。

ワークフローシステムが扱う業務の範囲

ワークフローシステムが扱うのは、承認を伴う社内手続き全般です。代表的なものは稟議、経費精算の申請、物品購入、休暇や残業の申請、契約書の審査依頼などです。

人事異動に伴う手続きやアカウント発行の依頼、取引先登録の申請など、部門をまたぐ依頼業務にも使われます。社外からの受付をフォームで受け、社内の承認につなげる使い方もあります。

共通しているのは「誰かが依頼し、誰かが判断し、記録が残る」という構造です。この構造を持つ業務であれば、ワークフローシステムの対象になり得ます。

グループウェアや経費精算システムとの違い

ワークフローシステムと混同されやすいのが、グループウェアや経費精算システムです。どれも申請機能を持つことがありますが、得意とする範囲が異なります。

項目

ワークフローシステム

グループウェア

経費精算システム

主な目的

申請と承認の流れを管理する

社内の情報共有と連絡

経費の申請と精算処理

承認ルートの柔軟さ

条件分岐や代理承認まで細かく設定できる

簡易的なものが多い

経費向けのルートに特化

対象業務

稟議や各種申請など幅広い

スケジュールや掲示板が中心

交通費や立替経費が中心

他システムとの関係

会計や人事などと連携して起点になる

ワークフロー機能を一部内包する場合がある

会計システムへの仕訳連携が中心

グループウェアに付属する申請機能で足りる会社もあれば、複雑な承認ルートを持つためにワークフローシステムの専用製品を選ぶ会社もあります。自社の承認ルートの複雑さが、どちらを選ぶかの判断材料になります。

ワークフローシステムにはどんな機能があるのか?

ワークフローシステムの機能は、申請を「作る」「回す」「見える化する」「残す」「つなぐ」の5つに整理できます。製品ごとの差は大きいものの、この5つを押さえておけば比較の軸がぶれません。

申請フォームを作成する機能

申請フォーム作成機能は、紙やExcelで使っていた申請書を、入力画面として作り直す機能です。入力必須の項目や選択肢、金額の自動計算などを設定できます。

紙の書式をそのまま再現できる製品もあれば、入力しやすい画面に作り替えることを前提とした製品もあります。どちらが良いかは、現場の慣れと入力ミスの多さのバランスで決まります。

承認ルートを設定する機能

承認ルート設定は、ワークフローシステムの中核となる機能です。申請の種類や金額、所属部署によって承認者を自動で切り替える条件分岐を設定できます。

複数人の同時承認や、どちらか一人の承認で進む設定、不在時の代理承認なども、多くの製品で用意されています。組織改編や人事異動のたびにルートを修正する必要があるため、設定変更のしやすさも重要です。

通知と進捗を見える化する機能

申請が届いたことや、差し戻しが発生したことを、メールやチャットで知らせる通知機能があります。承認者が気づかずに放置する状態を減らせます。

申請者は、自分の申請が今どこで止まっているかを画面で確認できます。管理者は滞留している申請を一覧で把握できるため、ボトルネックになっている承認段階を特定しやすくなります。

証跡を残し検索する機能

ワークフローシステムでは、誰がいつ申請し、誰がいつ承認したかが操作ログとして自動的に記録されます。後から改ざんしにくい形で履歴が残るため、監査対応の資料としても使えます。

過去の申請を、日付や申請者、金額などで検索できる機能も一般的です。同じような稟議を参考にしたいときや、監査で特定の取引を確認したいときに役立ちます。

外部システムと連携する機能

承認が完了したデータを、会計システムや人事システム、文書管理システムへ受け渡す連携機能があります。承認後に同じ内容を別のシステムへ打ち直す二重入力をなくせます。

連携の方法は、APIによる自動連携、CSVの出力と取り込み、専用の連携オプションなど製品によって異なります。連携先が多い会社ほど、この機能が導入効果を左右します。

ワークフローシステムを導入すると何が変わるのか?

ワークフローシステムを導入すると、承認までの時間が短くなり、手続きの記録と統制が整い、場所に縛られずに申請と承認ができるようになります。一方で、操作が分かりにくいと現場に浸透せず、紙とシステムが併存する状態に陥る点には注意が必要です。

承認までのリードタイムが短くなる

紙の申請書は、承認者の机に届くまでの移動時間と、承認者が席に戻るまでの待ち時間が発生します。ワークフローシステムでは申請が即座に届き、スマートフォンから承認できる製品も多いため、待ち時間が大きく減ります。

差し戻しもシステム上で行えるため、書類を持って行き来する必要がなくなります。申請者は修正して再申請するだけで済みます。

内部統制と監査対応が整う

職務権限規程に沿った承認ルートをシステムに登録しておけば、本来通るべき承認者を飛ばすことができなくなります。ルールが仕組みとして守られるため、内部統制の実効性が高まります。

承認の履歴が自動で残るため、監査の際に紙の書類を探し回る必要もありません。誰がどの判断をしたのかを説明しやすくなる点は、上場準備中の企業や取引先から統制を求められる企業にとって大きな利点です。

テレワークとペーパーレスが進む

ワークフローシステムがあれば、押印のために出社する、という状況を解消できます。申請と承認がオンラインで完結するため、在宅勤務や出張中でも業務が止まりません。

紙の書類を保管するスペースや、ファイリングの手間も減ります。電子化した書類の保存方法については、税務上のルールにも注意が必要です。詳しくは電子帳簿保存法のシステム対応で解説しています。

導入でつまずきやすいポイント

ワークフローシステムの導入でよくある失敗は、紙の申請書をそのまま画面に置き換えただけで終わることです。紙では許されていた曖昧な記入が、システムでは入力エラーになり、現場の不満が高まります。

承認者が通知を見落とす、スマートフォンでは画面が見づらいといった小さな不便も、積み重なると「結局メールで頼んだ方が早い」という行動につながります。導入後に紙とシステムが併存すると、かえって管理の手間が増えてしまいます。

ワークフローシステムの種類はどう選び分けるのか?

ワークフローシステムは、提供形態でクラウド型とオンプレミス型に、用途で汎用型と特化型に分けられます。自社の規模やセキュリティ要件、承認ルートの複雑さ、連携したいシステムを整理すると、選ぶべき種類が絞り込めます。

クラウド型とオンプレミス型の違い

クラウド型は、提供会社のサーバー上で動くサービスを月額などで利用する形態です。オンプレミス型は、自社のサーバーにソフトウェアを導入して運用する形態です。

比較項目

クラウド型

オンプレミス型

導入までの期間

短い。契約後すぐに使い始められる

長い。サーバー準備と構築が必要

初期費用

抑えやすい

大きくなりやすい

カスタマイズ性

提供される範囲内に限られる

自社要件に合わせて作り込みやすい

保守運用

提供会社が担う

自社の情報システム部門が担う

向いている企業

早く始めたい企業や中小規模の企業

独自の承認ルールや厳しいセキュリティ要件を持つ企業

近年はクラウド型が主流になりつつありますが、基幹システムと密接に連携させたい場合や、社外にデータを置けない場合はオンプレミス型が選ばれることもあります。

汎用型と特化型の違い

汎用型のワークフローシステムは、稟議から各種申請まで幅広い業務を一つの基盤で扱えます。申請の種類が多い会社や、全社で統一した承認基盤を作りたい会社に向いています。

特化型は、経費精算や契約審査など特定の業務に絞り込んだ製品です。その業務に必要な機能が最初からそろっているため、導入の手間が少なく済みます。

選定時のチェックポイント

ワークフローシステムを選ぶときは、機能の多さよりも「自社の業務で使えるか」を基準にします。確認したい観点は次のとおりです。

  • 現在の承認ルートを、条件分岐や代理承認も含めて再現できるか

  • ITに詳しくない部署の担当者でも、フォームやルートを修正できるか

  • 組織改編や人事異動のときに、設定変更の手間が少ないか

  • 会計や人事など、既存システムとの連携方法が用意されているか

  • スマートフォンからの申請と承認が、実用に耐える操作性か

  • 操作ログやアクセス権限など、統制に必要な機能があるか

無料トライアルがある製品では、実際の申請を数件流してみると、カタログでは見えない使い勝手が分かります。申請者と承認者の両方の立場で試すことが大切です。

ワークフローシステムを現場に定着させるにはどう進めるのか?

ワークフローシステムを定着させるには、システムを選ぶ前に業務の流れを棚卸しし、承認ルートを見直したうえで、小さく始めて画面を改善し続けることが近道です。導入はゴールではなく、使われ続けて初めて効果が出ます。

業務の流れを棚卸しする

ワークフローシステムを選ぶ前に、現在どんな申請があり、誰がどの順番で承認しているかを洗い出します。規程に書かれているルートと、実際に運用されているルートが違うことは珍しくありません。

棚卸しの段階で、承認者が多すぎる申請や、形骸化している確認ステップが見つかることもあります。システム化の前に流れそのものを整理しておくと、設定もシンプルになります。

承認ルートを見直してから設定する

紙の時代のルートをそのままワークフローシステムに移すと、不要な承認段階まで電子化されてしまいます。金額の閾値を見直す、報告で足りるものは承認から外すといった見直しを先に行います。

ルートが単純になるほど、組織変更時の保守も楽になります。システムの機能で複雑さを吸収するのではなく、業務側で複雑さを減らす発想が重要です。

小さく始めて広げる

ワークフローシステムへの全社一斉の切り替えは、混乱が起きたときの影響が大きくなります。まずは利用頻度が高く、効果が見えやすい申請から始めるのが一般的です。

一部の部署で試行し、出てきた不満や要望を反映してから対象を広げます。初期の利用者が「便利になった」と感じることが、全社展開の追い風になります。

申請画面と承認画面を設計する

定着を左右するのは、申請者が迷わず入力でき、承認者が一目で判断できる画面です。項目の並び順、入力例の表示、承認画面で最初に見せる情報など、細かな設計の積み重ねが使い勝手を決めます。

FAKEでは、デザインドリブン®のアプローチで業務システムのUI/UXを設計しており、現場に入り込んで実際の操作を観察しながら画面を改善するFDE型の支援も行っています。ワークフローシステムでも、製品の標準画面のままにせず、利用者の行動に合わせて設定や周辺画面を整えることが定着の鍵になります。

業務システムの画面改善については業務システムにおけるUI/UXデザインの最適化で詳しく紹介しています。自社に合う画面設計を外部と進めたい場合は、業務システム開発に強いデザイン会社も参考になります。

AIとの組み合わせで次の段階へ進む

最近は、ワークフローシステムに生成AIやAI-OCRを組み合わせる動きも出ています。請求書を読み取って申請内容を自動入力する、申請内容の不備をAIが事前に指摘するといった使い方です。

ただし、AIを組み合わせるほど、どこまでを自動化し、どこで人が判断するかの設計が重要になります。考え方はAIワークフローの自動化で整理しています。

まとめ

ワークフローシステムとは、申請から承認、決裁までの流れを電子化し、決められたルートで自動的に回す仕組みです。申請フォーム、承認ルート設定、通知と進捗の見える化、証跡の記録と検索、外部システム連携が主な機能です。

導入すると承認のリードタイムが短くなり、内部統制が整い、テレワークでも業務が止まらなくなります。一方で、紙をそのまま置き換えただけでは現場に浸透せず、紙とシステムの併存を招きます。

種類はクラウド型とオンプレミス型、汎用型と特化型に分かれ、自社の承認ルートや連携先によって選ぶべきものが変わります。そして定着のためには、業務の棚卸しとルートの見直し、小さな始め方、画面の継続的な改善が欠かせません。

ワークフローシステムに関するよくある質問

ワークフローシステムは中小企業でも導入する意味がありますか?

あります。従業員が少ない会社でも、社長や役員の承認待ちで業務が止まる、申請書の保管場所が分からないといった課題は起こります。クラウド型であれば小さな規模から始められるため、申請件数が多い業務に絞って導入する方法が現実的です。

ワークフローシステムとRPAはどう違いますか?

ワークフローシステムは、人が判断する承認の流れを管理する仕組みです。RPAは、決まった手順のパソコン操作をソフトウェアロボットに代行させる仕組みです。承認が終わった後のデータ転記をRPAが担うなど、両者を組み合わせて使うこともあります。

導入にはどのくらいの期間がかかりますか?

製品の種類と対象業務の範囲によって大きく変わります。クラウド型で一部の申請から始める場合は比較的短期間で使い始められますが、オンプレミス型で基幹システムとの連携まで行う場合は、要件定義から構築まで長い期間が必要です。業務の棚卸しにかける時間も見込んでおくと、計画が崩れにくくなります。

既存の紙の申請書はすべて電子化すべきですか?

一度にすべてを電子化する必要はありません。利用頻度が高いものや、承認に時間がかかっているものから優先して移行するのが一般的です。電子化の過程で、不要になった申請書や統合できる申請書を整理すると、運用全体が軽くなります。

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会社概要

社名

株式会社FAKE

住所

〒150-6090 東京都渋谷区恵比寿4丁目20-4 Portal Ebisu H1

代表取締役

高橋 才将

設立

2020年1月

事業

DXコンサル、新規事業コンサル、システム開発、UIUXデザイン